熊野大花火大会が開かれる七里御浜を前に話す、熊野市観光協会会長の中平孝之さん=7月、三重県熊野市
 熊野大花火大会が開かれる七里御浜を前に話す、熊野市観光協会会長の中平孝之さん=7月、三重県熊野市
 熊野大花火大会が開かれる七里御浜に設置された津波避難の看板=7月、三重県熊野市
 「南海トラフ地震臨時情報」発表時に求められる主な対応
 南海トラフ地震臨時情報で、自治体が挙げた観光客らへの対応を巡る課題

 ちょうど1年前、耳慣れない南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)の発表に揺れた観光地で、イベントと防災の両立を模索する動きが出てきた。集客による経済効果が大きいイベントへの期待は地元で切実な一方で、土地に不慣れな来訪者を災害時に避難誘導する観光地の責任は大きい。識者は臨時情報なしに巨大地震が突然起きることも想定し、対策を強化するよう求めている。

 ▽安全と経済

 「安全第一だが、経済も回さないといけない」。世界文化遺産の一部に登録された三重県熊野市の七里御浜。毎年8月17日に開かれる熊野大花火大会の実行委員長で、市観光協会会長の中平孝之さん(78)は、約20万人と見込む来場者の受け入れに表情を引...

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