イスラエルの国会に出席したネタニヤフ首相(左から2人目)=7月23日、エルサレム(ロイター=共同)
 イスラエルの国会に出席したネタニヤフ首相(左から2人目)=7月23日、エルサレム(ロイター=共同)
 イスラエル首相と軍の立場(写真はロイター、イスラエル軍提供)

 イスラエル政府がパレスチナ自治区ガザのガザ市制圧計画を決定した。軍は人質を巻き込むリスクを懸念していたが、ネタニヤフ首相は軍との確執を顧みず、再び強硬路線で押し切った。パレスチナを国家承認する動きが国際社会で相次ぎ、イスラエル批判が高まる中、反発を示した形だ。長期化する戦闘の出口戦略は見えず、混迷が深まる。

 ▽疲弊

 「ガザ占領計画を進めれば人質の命が危険にさらされるだろう。われわれが彼らに危害を加えないという保証はない。部隊は疲弊している」

 イスラエルメディアによると、軍のザミール参謀総長は7日午後6時に始まった治安閣議で訴えた。ガザ完全占領には1~2年かかると強調し、代替案を提示したが、採...

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