
東京大大学院生時代、インドネシアで植物採集する長谷部光泰さん(右、本人提供)
東京大大学院で分子系統学にのめり込んだ長谷部光泰さん。裸子植物から被子植物に至る大まかな系統を明らかにし、国内の植物分子系統学の第1世代となった。「次は形態の進化に取り組みたい」。目を向けたのは花を作る遺伝子だった。
米パデュー大に2年間留学。花の咲かないシダ植物から花を作る「MADS遺伝子」を見つける研究に没頭し、存在を確認した。では、花を付けない植物でMADSはどんな働きを担っているのか? 調べるには遺伝子を組み換える実験が必要だが、シダ類の遺伝子操作は非常に難しかった。
帰国後に出合ったのが遺伝子組み換えが容易なコケ植物「ヒメツリガネゴケ」だ。1996年、基礎生物学研究所助教授に着任す...
残り244文字(全文:544文字)












