規格外品となった枝豆をガンジー牛に与える加勢健吾さん=長岡市根小屋
規格外品となった枝豆をガンジー牛に与える加勢健吾さん=長岡市根小屋

 牛に長岡産枝豆を食べさせたら、牛乳の質は変わるのか-。長岡市の酪農家と枝豆の生産者が、規格外品となった枝豆を乳牛の餌に活用する実験をしている。2024年から始めたが、昨年は飼料作りに失敗。今年は枝豆をそのまま与える方法で再挑戦している。牛乳の品質が保たれると証明できれば、地元で餌を調達でき、耕畜が連携した循環型農業が実現すると期待する。

 挑戦しているのは、和島地域でガンジー牛を飼育している加勢健吾さん(40)=根小屋=と、枝豆生産者の久保和喜さん(39)=脇川新田町=だ。

 米国などから輸入するトウモロコシや大豆を混ぜた配合飼料は、近年価格が高騰している。加勢さんによると、餌代は6年前から6割増しとなっており、経費節減を考える必要があった。

 久保さんは枝豆を年間約30トン出荷しており、5〜10トンの規格外品が出るという。廃棄処分となる規格外品を有効利用したいと考え、加勢さんと協力し牛の餌に使うアイデアを思い付いた。

 久保さんは「初期投資がいらず、ある物を生かすやり方にした。耕畜連携の取り組みで、枝豆とガンジー牛乳のさらなるブランド強化につなげたい」と話す。

 1年目は失敗に終わった。枝豆や枝葉を乳酸発酵させ、長期保存できる飼料作りを試したが、雑菌が混入し発酵がうまくいかなかった。飼料の一部を牛に与えてみたものの、食べる前後の乳質を比較できなかった。

 今年は飼料を作るのではなく、10月までの収穫期に枝豆をそのまま与えることにした。乳質が安定している3頭に限定し、7月中旬から食べさせている。1頭当たり1日8キロ食べる配合飼料のうち、まずは1キロを枝豆に置き換え、毎週乳質を検査し、少しずつ割合を増やして乳質に変化があるかどうかを見ている。

規格外品となった枝豆をガンジー牛に与える加勢健吾さん=長岡市根小屋

 牛は枝豆が好きだといい、加勢さんが牛舎の床に枝豆を置くと、あっという間に平らげる。ただ、乳用種のホルスタインでは、枝豆を食べ過ぎると栄養過多で病気になる可能性を示すデータがあるという。ガンジー牛に関するデータはないため、獣医や長岡農業普及指導センターの助言を受けながら、慎重に進めている。長岡市からも、耕畜連携の取り組み支援として70万円の補助を受けている。

 最終的には、配合飼料の半分程度を枝豆に切り替えることを理想とする。涼しくなる秋以降に、昨年失敗した飼料作りも再度試す予定だ。「餌を輸入に頼るのが難しい時代が来るかもしれず、自給できるのは強みになる。地元産の...

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