稲の成長具合を確認する佐藤正幸さん=南魚沼市
稲の成長具合を確認する佐藤正幸さん=南魚沼市

 米価高騰、コメ不足、増産への方針転換…。コメ生産を取り巻く環境が大きく変わる中、県内農家は経営戦略を再考しながら直接販売や農地集積、IT技術導入に取り組む。農政の大転換期にどのような「商流」を見据え、新たな「農のカタチ」を描こうとしているのか。小規模な個人農家から大規模な法人まで、経営規模別に現場の姿と課題をリポートする。(5回続きの1)

 三分づき、五分づき、七分づき。健康志向のニーズに応え、精米作業は顧客の好みに合わせて6段階で対応し、定期的にコメを送る「定期便」を南魚沼市の農業、佐藤正幸さん(41)が手がける。「甚七」の屋号で個人で経営し、定期便は首都圏や関西からの注文が中心だ。

 「令和...

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