お盆を過ぎた頃、自宅リビングのエアコンが壊れた。寝室の冷風を送り込もうと試みたが、焼け石に水。リビングでうたた寝してしまった時には体の芯が熱を持ったような感覚がしばらく収まらなかった。たまらず電気店に走った
▼待つこと1週間。新品の設置に訪れた業者の男性2人は、ファン付きの作業着姿だった。背中に風が抜けて暑さが和らぎ、5年ほど愛用中という。これまでは自前だったが、今シーズンは会社が準備してくれたそうだ
▼今年6月、職場の熱中症対策が企業に義務付けられた。深刻な人手不足もあり、働きやすい職場づくりは企業の命題ともいえる。「気温が何度を超えたら注意しろとか、厳しく言われるようになりました」。2人は手際よく作業を終え、次の現場に向かった
▼直射日光を浴びる屋外の作業は過酷だが、実は熱中症は「住居」でのリスクが高い。総務省消防庁のまとめでは、昨年5~9月に全国で熱中症で搬送された9万7578人のうち、発生した場所別では、工事現場といった「仕事場」などを抑え、「住居」が最多の38%を占めた
▼家の中での熱中症対策は、住民自身によるこまめな水分補給や、やはりエアコンの適切な使用が柱となる。ただ、それなりに出費が伴う
▼9月に入ったものの、新潟地方気象台の各種予報では、まだ気の抜けない暑さが続く。新しいエアコンは快調だが、物価高も相まって電気代が気になる。年々厳しさを増す猛暑。何とか家計の負担軽減策も進まないものか。
