メジャーリーグの大谷翔平選手の活躍が、シニア層を元気にする効果は以前からいわれてきた。胸がすく投打の二刀流と謙虚で礼儀正しい人柄に魅了され、応援することで張り合いが増すという
▼「今日は打ったか?」があいさつ代わりになり、ドジャースのメンバーにも詳しくなる。本紙文芸欄には〈大谷に喜寿で恋して野球知る〉とうたう川柳も寄せられた。多方面へのポジティブな効果を「大谷現象」と言うそうだ
▼ただひょっとして、あまりにすごすぎる大谷選手に、心ときめく感覚がまひ気味の人もいるかもしれない。そんな県人に来年、お勧めしたい郷土の推し候補がいる。小欄では前にも取り上げたプロ野球西武ライオンズの滝澤夏央選手だ
▼上越市出身で関根学園高から育成契約で球界に入り、4年目の今季は飛躍の年だった。内野手でほぼ毎試合出た。オールスター戦で適時打も放った。スピードが持ち味で最大の魅力は守備のうまさだ
▼試合データで守備能力を相対評価する指標(UZR)は、全球団の選手の中でトップを争う。名物テレビ番組「プロ野球珍プレー好プレー大賞2025」の企画で、現役選手500人が選ぶ守備の達人ランキング1位にも輝いた
▼身長164センチの球界最小兵ながら、その瞬間に立ち会えて良かったという美技を見せてくれる。胎内市黒川小5年の大滝成晴(なるせ)さんは本紙地域面「大きくなったら」で、滝澤選手を憧れの人に挙げ〈プレーを見ていてワクワクします〉と書いた。小欄も同感だ。
