激しく太鼓を打つ「屋台囃子(やたいばやし)」の稽古で、全身を使い太鼓をたたく加藤晴菜さん=佐渡市柿野浦
激しく太鼓を打つ「屋台囃子(やたいばやし)」の稽古で、全身を使い太鼓をたたく加藤晴菜さん=佐渡市柿野浦

 佐渡市を拠点に世界的に活躍する太鼓芸能集団「鼓童」の演奏者やスタッフを養成し、組織の土台を支えてきた研修制度が丸40年の節目を迎えた。近年は応募者減少で変化も迫られている。制度の歩みとこれからを見つめた。(3回続きの2)

<上>「生活即舞台」の理念とは?稽古に励む研修生の1日に密着

 佐渡市柿野浦の鼓童研修所で歯を食いしばって太鼓の稽古に熱中していた加藤晴菜さん(28)は、今春入所した。鼓童の舞台メンバーを目指すのではなく、鼓童の理念を学ぶのが目的だ。入所期間は約10カ月と、他の研修生より短い。

 劇団俳優として舞台に立つ傍ら、熊本県高森町で地域おこし協力隊として活動する中で太鼓と出会った。熊本の...

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