
記者会見する警察庁の楠芳伸長官=4日午前、警察庁
ストーカー被害を訴えていた川崎市の岡崎彩咲陽さん(20)が殺害された事件で、神奈川県警が検証結果を公表した。県警は交際相手からのドメスティックバイオレンス(DV)事案として対応を始めたが、リスク判断を誤り、被害者らが発した再三のSOSをないがしろにした。DVがストーカーに発展するケースは人命に関わる深刻な事態に陥りやすい。専門家は被害者の心理状況など特性を踏まえた対応が重要だと指摘する。
▽悲痛な訴え軽視
「必要な措置を講じる機会を逸し、捜査の基本が徹底されなかった。二度とあってはならない」。4日の定例記者会見で受け止めを問われた警察庁の楠芳伸長官は、硬い表情でこう語った。
検証の焦点は昨年...
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