
石川県立図書館の内部=金沢市
公立図書館が移転に伴ってデザインを一新し、市民の交流拠点へと変貌する流れが生まれている。美術館のように洗練された外観と内装を備え、持ち込んだ飲み物や食べ物を口にできるスペース、幼児が過ごす場所を設けた。子どもの声が響くことを容認し、居心地の良さを追求している。今秋、各地を訪ねた。(共同通信=浜谷栄彦記者)
▽重厚感
石川県立図書館は2022年、金沢大工学部の跡地に開館した。すりばち状に書架が並ぶ光景は古代ローマ時代の円形闘技場「コロッセオ」を思わせる。最上部の4階に1周160メートルの回廊を造った。「加賀五彩」と呼ばれる、えんじ、藍、黄土、草、古代紫の各色を壁や床の基調とし、重厚感がある。
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