
埼玉県北本市の水田の稲穂。これまで「コシヒカリ」を植えていたが、今年から高温耐性に優れた品種「にじのきらめき」に切り替えた=6日午後
消費者のコメ離れが進むのではないか―。昨年秋からの価格急騰は、収入増が期待できる農家にとっても手放しでは歓迎できない異常事態だ。求められるのは安定供給。猛暑に強い高温耐性品種への期待は大きく、産地では急ピッチで品種の転換が進んでいる。銘柄は増え、味の評価も高まっており、中長期的な価格の安定と持続的な生産への切り札となりそうだ。
▽米騒動
スーパーでのコメ5キロの平均価格は、昨年6月時点では2千円が高水準の認識だった。その後、需給バランスは急激に悪化し、夏に店頭からコメが消える「令和の米騒動」が起きた。インバウンド(訪日客)の増加で需要が伸び、地震災害を警戒した買いだめも取り沙汰されたが、最大...
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