
がん経験者の抱えやすい問題
自然災害が頻発し、誰もが日常的に防災を意識するようになった。多くの人がかかるがんという病気に対しても、災害と同様に事前に備えれば「被害軽減」ができる。そんな「がん防災」を提唱する医師と患者支援団体が「がん防災マニュアル」を製作、刊行している。3冊目となる最新刊は働く女性向けだ。
▽診断後に何が
「がん防災」は、宮崎善仁会病院(宮崎市)の押川勝太郎医師(腫瘍内科)が発案した造語だ。
押川さんらが参加した日本がんサポーティブケア学会の部会で検討してきた結果によると、がんを経験すると「身体」の諸症状、不安などの「心」の負担、相談先や経済的負担などの「社会」的なものなど多様な局面で問題を抱えやすくな...
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