自民党の役員会に臨む石破首相=8日午前、東京・永田町の党本部
自民党の役員会に臨む石破首相=8日午前、東京・永田町の党本部
自民党の役員会後、首相官邸で記者団の取材に応じる石破首相=8日午前

 コメの不足や価格高騰の中で政権運営を担った石破茂首相の退陣表明を受け、コメ主産県である本県の農家からは8日、首相がこだわった増産への転換を理解する一方、政策論議が停滞しないかを懸念する声が上がった。政府備蓄米の放出が一段落し、店頭に並び始めた新米も高値が付く中、消費者は今後の価格動向に気をもむ。

 昨年10月に石破内閣が発足して以降、コメの店頭価格は上昇が続いた。政府は備蓄米を放出して価格の抑制を図ってきたが、8月上旬に生産量不足が価格高騰の要因であることを認め、石破首相は増産にかじを切ると表明した。

 新潟市南区で水田3・5ヘクタールを作付けする農家男性(59)は、コメの安定供給に向け「増産はもっともな政策。すぐに切り替えないといけない」と一定の理解を示す。ただ「これまで生産を減らす方向でやってきて、小規模の農家は減り、人手を含め基盤をなくしている」と懸念する。

 「(首相が代わっても)増産方針が変わらないといい」と話すのは、南魚沼市で水田約40ヘクタールを管理する農業法人「ひらくの里ファーム」の青木拓也代表取締役(35)。増産にも前向きだが「農地を借り受ける地主とのやりとりが大変だ」とし、農地の集約への政策支援を求める。

 5月に小泉進次郎氏が...

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