
商品が並ぶ新潟営業所で直接販売の狙いを語る壱成の早川典孝社長=新潟市北区(写真映像部・伊藤駿平撮影)
国がコメの流通を管理する食糧管理法が1995年11月に廃止されてから30年となった。流通自由化で競争が激化し、従来の米穀店が減少する一方、好機と捉えて事業拡大や新規参入を図った企業もある。「令和の米騒動」で再び激動の時代を迎え、生産から販売までを見据えて独自の商流を築く県内の米穀店を追う。(3回続きの3)
<中>吉兆楽(南魚沼市)原信のPB商品も手掛け…ブランド米に“雪の力”
「コメ作りは人づくり」。コメや肥料農薬の販売を手がける壱成(阿賀野市)の早川典孝社長(57)は強調する。県内を中心に約600軒の契約農家と関係を構築。年約1万トンのコメを直接販売したり小売店などに卸したりしている。
壱成が手掛けるブランドの名前は「米杜氏」。化学肥料を極力抑えた独自の農法や稲作への実直な向き合い方を意味する。契約農家と結束し、味や安全性を重視する理念を共有する。
「人づくり」の言葉通り、...
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