
集出荷施設に運び込まれたル・レクチエを検品するJAの担当者ら=新潟市南区
旬を迎えた新潟県のブランド西洋なし「ル・レクチエ」の今季の出荷量が落ち込んでいる。JA全農県本部(新潟市西区)による今年の出荷見込み量は、例年比約4割減の530トンで過去10年間で最も少ない見通し。昨年に続く病害に加え、夏の猛暑と水不足などが重なった影響とみられる。生産者からは「物価高騰で生産コストも上がる中、収入へのダメージは大きい」と悲痛な声が上がる。
県内有数の産地である新潟市南区で15年ほどル・レクチエを生産する男性(44)は、生産が安定していた数年前に比べると「収穫量は半分ほどに減った」と肩を落とす。「不作から経営面で諦めざるを得ない農家もいる。畑を縮小して他の作物を植えたり、木自体を切ってしまったりする人も増えている」と語った。
JA新潟かがやき(新潟市西蒲区)によると、減収の一因は春先の天候不良。4月下旬の授粉期に、適した天候に恵まれた日は1日しかなく、気温の低さや雨から授粉がうまく進まなかったという。
今夏の記録的な高温と少雨も追い打ちをかけた。干ばつで...
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