フランスのマクロン大統領(中央)とバイル首相(左)=5日、パリ(ロイター=共同)
 フランスのマクロン大統領(中央)とバイル首相(左)=5日、パリ(ロイター=共同)
 フランス国民議会で、信任投票を前に演説するバイル首相=8日、パリ(AP=共同)
 フランス政局の今後のシナリオ

 フランスのバイル首相率いる内閣が崩壊した。昨年の国民議会(下院)総選挙で極右や左派の伸長を許し、第1勢力の座を失った少数与党は今後誰が首相になっても混乱が続く袋小路に。マクロン大統領の辞任や下院の解散総選挙を求める野党の声も強まり、欧州連合(EU)第2位の経済大国フランスが安定する兆しは見えない。

 ▽ポピュリズム

 「あなたたちには政府を倒す力はあるが、現実を消し去る力はない」。バイル氏は8日、下院での内閣信任投票を前に演説し、内閣が進めようとしていた財政再建計画を廃案にしても財政難は変わらないと警告した。

 EUの財政規律は、加盟国に財政赤字を国内総生産(GDP)比3%以内に抑えるよう求めるが...

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