
コメ不足と価格高騰への課題
農林水産省が作況指数に代わる新指標を示した。実態に近い収量見通しを示すことで過度な集荷競争を抑え、価格安定につなげる狙いだ。需給見通しを誤ったことが、昨夏に店頭からコメが消える「令和の米騒動」や価格高騰の一因になったとの反省が背景にある。ただ、価格抑制までつなげるには、需要の正確な把握や増産の実現が欠かせず、課題は多い。
▽危機感
「見直さなければ生産現場の実感との乖離が生じたままになり、調査結果への信頼が失われる」。農水省は、総務省統計委員会の専門部会の議論で危機感を訴えた。
農水省はコメの出来具合について、これまで過去30年の傾向との比較を数値化した「作況指数」で示してきたが、近年コメど...
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