
運送で使うトラックの前に立つ「トランプ」の矢作和徳社長=埼玉県川口市
運送業者らに軽油を販売する8社がカルテルを結んだ疑いがあるとして、公正取引委員会が強制調査に踏み切った。軽油価格はここ数年で1・5倍以上になるなど、燃料費高騰に運送業者は苦慮。品質に違いが出ない石油製品は業者が過度な価格競争を避けるため不正を招きやすく、国の支援制度が定めた「基準価格」が助長したとの指摘もある。
▽適切な市場
「あらゆるコストが上がっている」。運送事業を手がける埼玉県川口市の「トランプ」の矢作和徳社長(42)が苦悩を打ち明ける。同社では軽油が燃料のトラック約10台やガソリン車約350台を抱え、1台が2日に1回の給油で1万円かかることも。「数年前と比べ燃料費は3割以上は上がって...
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