佐賀県の玄海原発上空に7月のある夜、三つの光る物体が飛来した。原子力規制委は当初、ドローンだと発表したが、その後、断定できないと訂正した。いったい光る物体は何だったのか。もしかしてUFO…謎は深まる
▼怪異現象やオカルトが好きなら、狐火(きつねび)を連想する面々もいるのではなかろうか。阿賀町の麒麟山など狐火伝説は各地に残っている。広辞苑を開いてみると、狐火の由来は「狐が口から吐くという俗説に基づく」とある。そんなばかなことはないだろうと笑ってしまう一方で、古来、人を化かしたり、人に取りついたりしたといわれるキツネのことだ。さもありなんと感じ入る
▼豊臣秀吉の養女が、キツネに取りつかれたことがあるという。怒った秀吉は、お稲荷さんの総本宮である京都の伏見稲荷大社に書状をしたため、養女を死なせたら、社を壊して、日本国中のキツネを殺すなどと脅したという。歴史学者・磯田道史さんの著書にあった
▼キツネは、気象でも人間を惑わしてきたのだろうか。「狐雨」は空が晴れているのに降る「天気雨」のことだ。人間を驚かす雨といえば、近年は狐雨より「ゲリラ豪雨」が頻繁に発生している
▼一昨日も新潟市などはひどい降りだった。各地で道路が冠水し、建物の雨漏りも相次いだ。JR駅ビルの店舗は水浸しになり、県立自然科学館は休館を余儀なくされた
▼「狐雨じゃ、濡れて行こう」と言える情緒的な雨が良いのだが。さてはキツネも、この夏の酷暑でバテてしまったか。