
この40年間で、1世帯当たりの上下水道代支出の伸び率が全国最大だった富山市上下水道局の流杉浄水場
上下水道代の地域格差が広がっている。水道は巨大システムを必要とする「装置産業」で、高度経済成長期に敷設された管路の更新が各地で迫る。苦渋の値上げに踏み切る地方都市に対し、人口が集中する大都市では、物価高対策として基本料金を一時無償化したところもある。命に直結するインフラの明暗がくっきり分かれている。
▽「仕方ない」
「なるべく節約したいけれど、小豆は水にさらす必要がある。地下水では衛生面の心配もある」。この40年間で、1世帯当たりの上下水道代支出の伸び率が全国最大だった富山市。和洋菓子店「梨の菓 瀧味堂」の滝脇誠社長(56)によると、数年前まで1カ月の水道代は3万円台だったが、最近では5万円...
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