宮城県南三陸町の災害公営住宅の住人渡辺たか子さん(手前)を訪れた、町社会福祉協議会の(右から)佐藤直美さん、高橋吏佳事務局長=4日
 宮城県南三陸町の災害公営住宅の住人渡辺たか子さん(手前)を訪れた、町社会福祉協議会の(右から)佐藤直美さん、高橋吏佳事務局長=4日
 被災者からの電話に対応するふくしま心のケアセンターの職員=1日、福島市
 心のケアセンターへの主な相談内容

 東日本大震災で心の傷を負った人たちの支援を続けてきた「心のケアセンター」が岐路に立たされている。震災から14年半たっても相談は絶えないが、国は交付金を年々減額しており、地元では運営継続を危ぶむ声も。「まだ見放すわけにはいかない」。医療が脆弱な沿岸部では特に危機感が強く、今後は地域や民間との連携が「心の復興」への鍵を握る。

 ▽再構築不可能

 「ひきこもりの家族向けイベントがありますが、参加されませんか」。ふくしま心のケアセンターで9月初旬、精神保健福祉士や臨床心理士の資格を持つ4人が電話対応に当たっていた。被災者と面談や電話を重ね、医療機関やグループホームにつなげている。

 東京電力福島第1原発事...

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