飛行中の雷誘導ドローン=2025年1月、島根県浜田市(NTT提供)
 飛行中の雷誘導ドローン=2025年1月、島根県浜田市(NTT提供)
 実際に雷の誘導に成功したドローン。NTT宇宙環境エネルギー研究所の長尾篤主任研究員が指し示す先が、雷で溶けた部分=2025年7月、東京都武蔵野市
 ドローンを使った雷誘導の将来像のイメージ

 人の生命やインフラ設備への脅威となる雷。従来の受け身の対策から一歩進んで、ドローンを使い雷を人工的に誘導する技術の開発にNTTの研究チームが取り組んでいる。昨年12月には実際に飛ばしたドローンでの雷誘導に世界で初めて成功。「空飛ぶ避雷針」として実用化を目指す。

 ▽被害年2千億円

 雷は、雲の中で氷の粒やあられがこすれ合ってたまった静電気が、光と音を伴って放たれる自然現象だ。地上との間に発生する「落雷」は、直撃による人や設備の損傷のほか、瞬間的に電圧や電流が上がる「雷サージ」により、通信や電子機器に深刻な影響をもたらす。国内での被害総額は年間1千億~2千億円に上ると推定。地球温暖化の影響で雷の発...

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