
北海道の釧路湿原周辺で建設が進む大規模太陽光発電所(メガソーラー)の工事現場=8月
政府が将来の主要電源と位置付ける再生可能エネルギーが逆風にさらされている。切り札とされた洋上風力発電は三菱商事がコスト増を理由に撤退、大規模太陽光発電所(メガソーラー)も環境影響を巡り各地で対立が起きている。再エネ拡大は地球温暖化対策にも不可欠で、官民ともに戦略見直しを迫られそうだ。
▽撤退
「日本の脱炭素には貢献できなかった」。三菱商事の中西勝也社長は8月、秋田・千葉両県の3海域で進めてきた洋上風力発電事業の撤退を発表した。再エネ拡大に向けた政府の肝いり案件で、2021年に同社が中部電力の子会社などと落札。風車計134基(計170万キロワット)を設置し、28年以降に順次運転を始める計画だっ...
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