
マカオの立法会選挙で投票を呼びかけるオブジェ=12日(共同)
昨年12月に政府トップの行政長官に初めて中国本土出身者が就いたマカオ。中国指導部の意向通りの政治が行われるとの大方の予想通り、岑浩輝行政長官は統制強化にまい進する。政府に異論を唱える勢力を立法会(議会)から排除して安定を図る狙い。民主派支持層からは「自由な空間がますます減っている」と嘆きが漏れる。
▽忠誠
「立候補資格を剥奪されるとは想像もしなかった。マカオが、こんなに自由のない体制になったとは…」。出馬を禁じられた市民は憤る。所属する政治グループは中間派と目され、民主派活動に参加したこともない。グループの仲間も資格剥奪となった。
当局は「マカオに忠誠を尽くしていない」との理由以外は示さず、...
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