
テムザックが開発した下水道管点検で使える小型機器(同社提供)
補修が必要な下水道管が各地で見つかった背景には、老朽化が進む中、保守点検を担う職員も予算も足りないという自治体の事情がある。人口減に伴い、自治体が住民から受け取る使用料金収入は減少すると見込まれ、値上げに踏み切るケースも。一方、作業中の事故は後を絶たず、国は新しい技術の活用などで効率化を後押しする。
▽膨大
「すぐに工事に取りかかりたいが、人手も予算も制約があって難しい」。重点調査で15キロを超える箇所の「対策が必要」となった茨城県の関係者はこう明かす。
国土交通省によると、2023年度末時点の下水道管の総延長は50万キロ。このうち標準耐用年数である50年を経過した管は7%だが、10年後には...
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