17日、記者会見するFRBのパウエル議長=ワシントン(共同)
 17日、記者会見するFRBのパウエル議長=ワシントン(共同)
 トランプ米大統領とFRBを巡る構図(写真はゲッティ、ロイター)

 米連邦準備制度理事会(FRB)が第2次トランプ政権下で初めての利下げを決めた。インフレを警戒して利下げを見送ってきたパウエル議長は、雇用悪化の懸念を深め方向転換した。議論の中では、早期の利下げを求め側近を理事に送り込んだトランプ大統領の「政治色」もにじんだ。米金融政策の変化は日本を含む世界経済にも波及する。

 ▽リスク管理型

 「労働市場はもはや堅調とは言えない」。パウエル氏は連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、景気を支えてきた雇用情勢の変化を明言。さらなる悪化を防ぐため「リスク管理」型の利下げだと強調した。

 懸念が高まったきっかけは、8月1日に発表された雇用統計だった。景気動向を映し...

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