
記者会見を終え、退席する日銀の植田総裁=19日午後、日銀本店
日銀は大規模金融緩和の一環として買い入れた上場投資信託(ETF)の売却を決めた。金融政策の正常化に向け歩みを進めアピールした形だが、売却完遂までには長い道のりとなる。一方、本丸の利上げは今回も見送った。物価高対応として政府や経済界に早期決定を求める声があるが、米関税政策の影響に加え、賃上げ動向や政局など不確定要素が多く、難しい判断を迫られる。
▽112年
「(ETFの売却完了を)見届けられないが、後を引き継ぐ新しい幹部が提案を実行してくれるだろう」。日銀の植田和男総裁は19日、金融政策決定会合の終了後の記者会見で、長期にわたるETFの売却作業に着手することの重要性を訴えた。
ETFの買い入れ...
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