
地震と豪雨による被災からの復旧が進まない石川県輪島市門前町深見地区の集落=12日
昨年、地震と豪雨で被災した石川県の奥能登地域では、仮設住宅で暮らす人たちが被災前の居住地域での生活再建を模索している。だが道路などのインフラ復旧は難航。自宅の修理をはじめ経済負担への懸念から戻れない住民は多く、存続が危ぶまれる集落も。県の担当者は「住まいをしっかり用意し人口流出を食い止めたい」と意気込むが、恒久的な住まい確保へ課題は山積している。
▽消滅
「こうしてふるさとで土いじりをしていることが幸せ」。輪島市門前町深見地区の藤原文子さん(76)は地元で畑仕事をしながら笑顔を見せた。
地区の中心を通る川が豪雨で氾濫し、地震で中規模半壊だった自宅は全壊した。「こんな恐ろしい場所に二度と戻らな...
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