
「興味や好奇心があることを伝えて現地の人たちに溶け込んできた」と話す野町和嘉さん
サハラ砂漠やナイル川、中国のチベット自治区…。異国の大自然や伝統文化を撮り続けてきた写真家の野町和嘉さんは「世界は激変した」と力を込める。かつて撮影した風景は都市化が進み、中には政情不安で渡航できなくなった国も。インターネットやスマートフォンの普及で1枚の写真の価値も変わってきた。それでも「写真の力を信じている」と語る野町さんが今後も撮りたい風景とは―。(共同通信=添川隆太)
▽「サハラ狂い」が始まった
―写真展「人間の大地」(世田谷美術館、8月31日に終了)はこれまで撮影された作品の集大成でした。カメラとの出合いはいつなのですか。
「高知県三原村に生まれました。工業高校2年の時、修学旅行に...
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