
浦上川が氾濫した状況を振り返る竹島忠男さん=9月9日、石川県輪島市門前町の浦上地区
昨年9月の石川県・奥能登豪雨では、線状降水帯が発生して短時間で想定以上に雨量が増加し、避難が困難になるほど急激に事態が悪化した。「命が危険な状況」として最高の警戒レベル5と位置づけられる「大雨特別警報」の発表前に犠牲になった住民も。避難を巡る判断の難しさが改めて浮き彫りとなった。識者は「平時から最悪の事態を想定し、状況に応じた避難のプランを複数考えておく必要がある」と訴える。
▽九死に一生
石川県輪島市門前町の浦上地区。昨年9月21日午前、竹島忠男さん(77)の自宅横に広がる畑は茶色く濁り、水浸しになった。異変を感じた竹島さんは高台に避難しようと軽トラックに乗り込んだが、直後にそばを流れる浦...
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