古気候学者の阿部彩子さん(右)と、研究のきっかけを作った真鍋淑郎さん(阿部さん提供)
 古気候学者の阿部彩子さん(右)と、研究のきっかけを作った真鍋淑郎さん(阿部さん提供)
 研究内容を説明する古気候学者の阿部彩子さん=千葉県柏市

 3歳から6歳までを米国で過ごした阿部彩子さんは、家族で訪れたグランドキャニオンやナイアガラの滝の雄大さに触れ、地球に興味を持つようになった。日本帰国後は米国と全く違う景色を目の当たりにし「いろんな風景があると不思議な気持ちだった」。

 「地球を知りたい」と進んだ東京大の地学科で地球全体が寒くなる氷期に興味を持った。卒業した1985年に、氷期が来るメカニズムを学ぼうと地球物理学科に学士入学。

 当時、地球温暖化への関心の高まりもあり、天気予報に使われていたシミュレーションの方法を改良して長期的な気候変動の研究に応用しようという計画が学内で進んでいた。計算機を使った予測に興味を持ち始めていたところ、...

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