ミズナラの幹に残る、虫が侵入した穴=10月、北海道函館市
 ミズナラの幹に残る、虫が侵入した穴=10月、北海道函館市
 山中でナラ枯れの調査をする北海道の職員ら=10月、北海道函館市
 枯れたミズナラに目印を付ける北海道の職員=10月、北海道函館市
 ドローンからの映像を確認する北海道の職員ら=10月、北海道函館市
 カシナガ(森林総合研究所提供)
 北海道南部でのナラ枯れ被害の状況

 ミズナラやカシワなどナラ類の樹木が虫に侵食されて枯れる「ナラ枯れ」が北上し、北海道に急速に広がっている。専門家は地球温暖化で原因虫が越冬できるようになったと指摘し、木材資源の減少に加え、野生動物への影響も憂慮する。現場での駆除が拡大スピードに追いつかない現実に直面し、ナラ枯れになる前に木材を伐採して活用する試みも始まった。

 10月中旬、紅葉シーズンを迎えた函館市の山中で、道庁職員らが現地調査を行った。ドローンによる上空からの映像には生い茂る山林地帯に一部、緑のない陰りが映る。「この時期に落葉は早い。枯れているのかも」と担当者は目星を付けた。

 問題の樹木を目指し、クマ撃退スプレーを腰に携え、道...

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