秋田県能代市の港湾区域内に設置された洋上風力発電施設(同市提供)
 秋田県能代市の港湾区域内に設置された洋上風力発電施設(同市提供)
 秋田県能代市の能代港に並ぶ洋上風力発電所の風車=2023年1月
 洋上風力人材育成センター。手前は受講生が装着する器具、奥は高所作業訓練用のはしご=4月、長崎市の伊王島
 負傷者をつり上げる救助訓練のインストラクター(左)と受講者=4月、長崎市の伊王島
 施設の概要を説明する、洋上風力人材育成センターの松尾博志訓練施設長=4月、長崎市の伊王島
 洋上風力発電のイメージ
 洋上風力人材の需要予測
 脱炭素 深掘り

 政府は、発電時に温室効果ガスを排出しない再生可能エネルギーを主力電源とする目標を掲げている。陸地が限られる島国の日本で、注目されているのが風車を海に造る洋上風力発電だ。

 政府関係者は「成長産業」と期待を寄せるが、将来的な人材不足が予想される。今年8月には、三菱商事がコスト増などを理由に秋田・千葉両県沖の発電所から撤退し、業界に衝撃が走った。洋上風力に吹く“逆風”は克服できるのか。(共同通信=石川恒太)

 ▽人材育成モデルに

 長崎市街地から船で約20分の距離にある伊王島。洋上風力発電施設の設置や運転、点検を担う人材を育てる国内最大の訓練施設で、インストラクターが高所での救助活動の手本を示していた...

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