
27日、ニューヨークの国連総会からイランに帰国後、記者会見するペゼシュキアン大統領(右)=テヘラン(イラン大統領府提供、ゲッティ=共同)
核開発を拡大してきたイランへの国連制裁が再発動した。米欧中ロが違いを乗り越え、こぎ着けた核合意は10年で瓦解。米欧と中ロで世界が分断する中、核問題を巡る溝が一層深まった。外交解決の模索は続くが、交渉は「袋小路」(イラン最高指導者ハメネイ師)。イランの態度硬化で監視は一層困難になる。核ドミノの懸念はくすぶり、中東情勢がさらに緊張する恐れがある。
▽孤立策
「国際社会には中途半端な懐柔策を拒否する義務がある」。米高官は、イランの核兵器開発を止めるには国際的に孤立させることが最善策だとの考えを強調した。
核合意が最初に揺らいだのは、第1次トランプ米政権の単独行動がきっかけだ。2015年にオバマ政権...
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