小泉進次郎農相(右)に、お湯に浸した2種類のおかきの香りを嗅いでもらい、違いを説明する岩塚製菓の槇春夫会長=東京・霞が関の農林水産省
小泉進次郎農相(右)に、お湯に浸した2種類のおかきの香りを嗅いでもらい、違いを説明する岩塚製菓の槇春夫会長=東京・霞が関の農林水産省

 新潟県の主要産業の一つである米菓業界を「令和の米騒動」による米価高騰が直撃している。価格が高い主食用米への作付転換が相次ぎ、あられやおかきの原料となる「もち米」の供給が細っているからだ。中でも「国産米100%」を看板にする業界大手の岩塚製菓(長岡市)は農家との契約栽培が減少し、苦境に立つ。輸入米の使用割合を増やす企業もある中、国産米にこだわり、調達に奔走。原料輸入に踏み切った「平成の米騒動」の苦い経験を糧に、独自性を貫こうと模索を続ける。

 「主食用米の価格がこれだけ高騰すると、加工用米の作り手がいなくなる」

 7月、東京・霞が関の農林水産省に岩塚製菓の槇春夫会長CEO(74)の姿があった。面会...

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