新潟市が購入した坂口安吾の歴史小説「信長」の生原稿(新潟市提供)
新潟市が購入した坂口安吾の歴史小説「信長」の生原稿(新潟市提供)
坂口安吾

 新潟市出身の作家坂口安吾(1906〜55年)の歴史小説「信長」の直筆原稿が見つかり、新潟市が購入したことが9日、分かった。「信長」は安吾の歴史小説の「集大成」とも言われ、専門家は「生原稿は貴重」と評価する。安吾のほかの原稿や資料を保管する市は、安吾生誕120年の来年にも「信長」の原稿の一部を公開したい考えだ。

 「信長」は、織田信長の15歳から桶狭間の戦いに勝利するまでの青年期を描いた作品で、52年10月から53年3月に夕刊紙「新大阪」に連載された。東京の古書店がネットで原稿を販売し、安吾を顕彰する市民団体「安吾の会」の会員が原稿の散逸を防ぐため2023年2月に77万円で購入。「適切に保存し、展示してほしい」と安吾の会が市に買い取りを要望していた。

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