
鹿児島大の吉崎由美子准教授=鹿児島市
発酵食品化学が専門の鹿児島大の吉崎由美子准教授(46)は、500年も前から九州を中心に造られてきた焼酎を冠する「焼酎・発酵学教育研究センター」で研究を進める。焼酎は製造過程で蒸留を行い、腐敗の原因となる糖などを取り除く。吉崎さんは「暖かい土地で酒造りに挑戦した先人の知恵が詰まっている」と思い入れを語る。
吉崎さんは「こうじが焼酎の個性を決めている」と話す。焼酎でよく使われる白や黒のこうじではなく、フルーティーでチーズのような香りを醸す紅こうじに狙いを定めた。肥満抑制や糖代謝の改善効果もあることも知られる。「どうして醸造用に広まらないのか。ボトルネックを解消することを研究の軸にしている」と説明...
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