インドネシア政府が提供した船のように浮かぶ水上ハウス=8月、ジャカルタ北部沿岸部(共同)
 インドネシア政府が提供した船のように浮かぶ水上ハウス=8月、ジャカルタ北部沿岸部(共同)
 防潮堤の脇に立つインドネシア国家研究イノベーション庁シニア研究員のアユ・スルティアリさん。地面は海抜0メートル以下。防潮堤の向こうには背丈より高い海が広がる=8月、ジャカルタ北部のマルンダ地区(共同)
 日常的に海水が浸入するジャカルタ北部ムアラアンケ地区の住戸脇に腰かけるタルミさん。地区からの移住を余儀なくされた=8月(共同)
 浸水を防ぐための高床住居=8月、ジャカルタ北部沿岸部(共同)
 防潮堤の説明をするインドネシア国家研究イノベーション庁シニア研究員のアユ・スルティアリさん=8月、ジャカルタ(共同)
 ジャカルタ市内に設置された、地盤沈下を示すサインボード。最上部が沈下前の地面の高さを示している=8月(共同)
 日常的に水に漬かるジャカルタ北部沿岸部ムアラアンケ地区=8月(共同)
 日常的に水に漬かるジャカルタ北部沿岸部ムアラアンケ地区=8月(共同)
 インドネシア・ジャカルタ

 1千万の人口を抱えるインドネシア・ジャカルタの沿岸地域で、満潮時の洪水が多発している。生活や工業用途で地下水を過剰に利用し、地盤沈下が進んだところに、地球温暖化に伴う海面上昇が追い打ちをかけた。政府は住民の移住促進や防潮堤の建設を図るが、急成長する新興国屈指の巨大都市は今後も人口集中が続く見込みで、問題解決への道のりは遠い。

 「水が増えれば新たな壁を築き、浸水を防ぐために住戸をかさ上げする。終わりなき繰り返しです」。ジャカルタ北部、海抜0メートル以下の居住区に造られた巨大な防潮堤を前に、国家研究イノベーション庁シニア研究員のアユ・スルティアリさん(51)が表情を曇らせた。

 日本の政府開発援助...

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