
約50年にわたりウサギを育てる佐藤章雄さん=6月、秋田県大仙市
雪のように白い毛並み、ルビーを思わせる真っ赤な目―。秋田県で飼育されている「ジャンボうさぎ」は、食用として改良を重ねた秋田の独自品種。正月など晴れの日の食卓を彩る伝統食として親しまれてきた。ウサギは海外では人気の食材だが、国内の食用種は希少だ。しかし食生活の変化や生産者の減少で、伝統は岐路に立つ。貴重な食文化を未来へつなぐ取り組みが続いている。
「野性味があって和食に合う。さまざまな料理の食材として工夫のしがいがありそう」。8月、旅行で訪れた秋田県大仙市でうさぎ鍋を食べた東京都の和食店経営伊東良馬さん(38)は、初めての味に舌鼓を打った。
同じ秋田のブランド地鶏「比内地鶏」に似た淡泊な肉質だ...
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