鉄道防犯カメラを巡る主な動き
 鉄道防犯カメラを巡る主な動き

 乗客の安全を守る目的で設けた東海道新幹線の防犯カメラを、JR東海がサービス向上への実験に転用する。列車内のカメラ設置は近年急速に進むが、当初目的と異なり、利用者の年代や性別などを解析する運用は公共交通機関では異例。同社の説明が乗客の理解を得られるのか、専門家から疑問の声が上がる。

 ▽義務化

 列車内のカメラ設置は痴漢対策などとして広まってきた。費用面の問題から設置状況は各社でばらつきがあったが、2021年に小田急線と京王線の車内で乗客が刺される事件が立て続けに起きたことで一変した。

 当時の国土交通相が同年12月に「事件を教訓にする」としてカメラ義務化の方針を打ち出すと、大手私鉄が相次いで全車両...

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