備蓄米を巡る影響と課題
 備蓄米を巡る影響と課題

 政府が民間備蓄米の導入を検討している。背景には、一連のコメ騒動で政府備蓄米の流通が大きく遅れたとの反省がある。消費者に迅速に届けられる体制整備を急ぐほか、コメ保管の財政負担軽減にもつなげたい考えだ。制度導入には民間事業者の協力が不可欠だが、コメの市場価格に影響するとの懸念もくすぶり、制度設計は課題が多い。

 ▽役に立たず

 「万が一の事態に放出する本来の備蓄米の役割を考え、今回の教訓を今後に生かす材料にしないといけない」。小泉進次郎農相は8月、備蓄米制度の実効性に危機感をあらわにした。

 競争入札と随意契約による備蓄米放出はいずれも店頭に並ぶまでに時間を要した。随意契約は当初、引き渡し先の小売店な...

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