今夏の全国高校野球選手権大会で勝利し駆け出す佐賀県立佐賀北高の選手たち=8月、甲子園球場
 今夏の全国高校野球選手権大会で勝利し駆け出す佐賀県立佐賀北高の選手たち=8月、甲子園球場
 今春の選抜高校野球大会で長崎県立壱岐高に声援を送る大勢の人たち=3月、甲子園球場
 甲子園応援費用高騰の例

 沖縄県勢2度目の優勝に沸いた今夏の甲子園大会。見どころの一つ、アルプス席の各校応援にも物価高や人件費高騰が直撃した。資金集めに制限がある高校野球の特殊事情もあり、学校側から「勝つほど費用がかさみ、戦々恐々だった」との声が漏れる。識者は「時代に合わせ、収益化を進めるべきだ」と提言する。

 「正直胃が痛かった」。2007年の「がばい旋風」で全国制覇し、今回6年ぶりに出場した佐賀県立佐賀北高の森清博事務長が切り出した。

 生徒は貸し切りバスで向かい、宿泊はなし。それでも費用は2試合で約2600万円かかった。税金が原資の学校予算は使えず、同窓会や野球部ΟBが寄付集めに知り合いや企業などを走り回った。「ほ...

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