松本隆さん
 松本隆さん
 「売れる、いい歌。そんな詞を書きたかったし、そういう音楽があるはずと信じていました」と語る松本隆さん
 松本隆さんが「12月の雨の日」などの詞を書いたアルバム「はっぴいえんど」の復刻版ジャケット
 KinKi Kidsのシングル「硝子の少年」。約179万枚を売り上げ、松本隆さんが詞を書いた楽曲で最大のヒットとなった。

 「木綿のハンカチーフ」「スニーカーぶる~す」「卒業」「硝子の少年」―。無数のヒット曲で日本のポップス界を彩ってきた松本隆さんが、ドラマーとして参加した日本語ロックの草分けバンド「はっぴいえんど」で本格的に作詞活動を始めてから55年がたった。

 広く聴かれ、後世に残る音楽を追い求めてきた松本さんは、その卓越した語彙力を駆使して情景や心模様をつづった詞で「自分が生きているということを表現してきた」と語る。(共同通信=団奏帆)

 ▽絵描きに憧れ、詩に親しんだ

 ―もし松本さんが作詞家になっていなかったら、ドラマーにもなっていなかったら、どんな職業を選んでいたと思いますか。

 「子どもの頃は、絵描きになりた...

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