にぎわいを見せた大阪・関西万博。各国、各企業のパビリオンが立ち並ぶ中、1体の大型フィギュアが異彩を放った。その像はアニメーション「機動戦士ガンダム」を題材にしたパビリオンの入り口付近に展示されている、実物大のガンダムだ。左膝を地面に付き、右手を天に伸ばした姿は全高約17メートル。9月下旬、会場を訪れると写真に収めようとする大勢の客でにぎわっていた。
「ガンダム? よく知らないけど、すごく大きいね。クールだよ」とベルギーから来たルドヴィック・ルノー(53)は笑顔を見せる。像を下から眺めていたインド人のガガン・パール(27)は10歳の頃、母国でガンダムのテレビ放映を見て知った。「ガンダムは地球のストーリーだから好き。実物大の像を見られてうれしい」と語った。
企業名を冠するのではなく、「ガンダム」という一つのIP(知的財産)がパビリオンの名になっていることについて、出展するバンダイナムコホールディングス(東京)は「世界中の人々が集う場でガンダムを通して新たなテクノロジーや、宇宙について興味を持つきっかけにしてほしい」と狙いを説明。アニメに対する可能性や期待値を感じさせた。
アニメをはじめとしたコンテンツ産業は今や国の基幹産業に位置付けられる。海外展開では鉄鋼、半導体をしのぐ5・8兆円の規模にまで成長している。
世界が「クール」と捉えるこの産業を...
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