心停止時の初期対応などを学ぶ「ICLS講習」の受講者ら=佐渡市千種
心停止時の初期対応などを学ぶ「ICLS講習」の受講者ら=佐渡市千種

 医療従事者が突然の心停止に対応するための「ICLS講習」が佐渡で定着してきた。「島でも看護師が自己研さんできる環境を整えたい」と佐渡総合病院(千種)の看護師が導入を提案。2018年にスタートし、受講者は今月18日の開催で累計100人を超えた。医療体制への不安が叫ばれる島で、現場から質を高めようとする動きが広がっている。

 日本救急医学会(東京)が認定するICLSは、心停止後10分間の対応とチーム蘇生について、1日で実技実習を中心に学ぶ。県内では今年1〜9月で20回近く開講され、本土では一般的な講習という。

 発案した佐渡総合病院の主任看護師、髙橋美由紀さん(43)は古巣の新潟市民病院で救命医療を経験。11年にUターンした島では、救命の初期対応について体系的に学べるICLSを受講できないことが気がかりだった。

 そこで、ICLSを開講する新潟市民病院に通い、2年がかりで指導者資格を取得。佐渡総合病院内で医師ら協力者を増やし、開講できる環境を整えた。

 講習は年1回開催し、新型ウイルス禍の中断を挟んで今年が5回目。院外の医療従事者にも呼びかけ、...

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