いくつになっても人生は楽しめるし、挑戦もできるのだなと思った。今年76歳になった新潟市中央区の安藤美代子さんは20年ぶりに新潟へ戻り、ギャラリーを開いた。「やりたいことがあれば年齢は関係ないからね」と笑う
▼安藤さんと出会ったのは四半世紀以上前になる。中央区のマンション一室にギャラリーを開いた頃だ。マニアックな雰囲気の中、前衛的な絵画展やフラメンコの舞踏会などを開いていた。安藤さんの人柄と妖しげな空間はファンに人気だった
▼マンション建て替えを機に、拠点を東京に移してからもアートイベントを手掛けてきた。それから20年、東京は変貌した。「大好きな銀座も渋谷も新宿も様変わりしました。昔の良さが消え、私はつまらなくなっちゃった」
▼東京はもういいかなぁ。そんなとき新潟に引き寄せられたという。日本銀行新潟支店がある南浜通に縁のある空き家があった。フリーギャラリーmiyuを開き、展覧会や貸しスペースなど自由に使える場所にした
▼南浜通は街路樹が並び、趣のある通りだ。歩く人は減ったが、安藤さんはネガティブにならず「私しか歩いていないときは映画のワンシーンみたいなの」と楽しさを大切にする
▼高齢化と人口減少、東京一極集中と地方の空洞化と深刻な課題は山ほどある。でも、安藤さんの生き方は諸課題をヒラリと跳び越えるようだ。情報発信のためインスタグラムも始めた。何歳になってもやりたいことがある。そんな年齢の重ね方に憧れてしまう。










