
令和7年7月から新潟市立保育園・認定こども園でスタート!
新潟市では、令和7年7月から市立保育園・認定こども園78施設で「紙おむつ・おしりふき定額利用サービス(サブスク)」を導入しました。保護者と保育士、双方の負担を減らし、保育の質を高めることが目的です。これまでのように、保護者が紙おむつに記名して持参する必要がなくなり、園側の個別管理も不要になります。
一足先に私立の園で広がりを見せていたサービスですが、近年は公立の園でも導入が浸透。県内では新潟市の他に関川村・燕市・新発田市でも導入されています。
今回は新潟市こども未来部幼保支援課の滝沢ちあきさんと、新潟市立万代保育園の中島千華子園長に導入の背景や、その後の変化についてお話を伺いました。
通園準備の負担を減らし、心のゆとりをプラス
「新潟市が実施した『令和6年度 新潟市子育て市民アンケート調査』では、子育てで負担を感じることとして『生活にゆとりがなく時間に追われる』を選んだ人が最も多い結果となりました。そうした声を受け、負担を少しでも減らし、こどもと過ごす時間を増やせるような施策の検討を進めました」と滝沢さん。
その後、ニーズを把握するために新潟市立園で令和6年8月に「おむつサブスク」に関するアンケートを実施。続く11〜12月には9園で実証実験を行い、参加者の9割以上が「利用したい」「価格・メーカー次第では利用したい」と回答しました。
実際、おむつの準備には「名前を書いて持参する」「登園時に指定の場所へ置く」といった細かな作業があり、忘れた場合は貸し出しや補充依頼対応が必要になるなど、園側の管理の負担も少なくありませんでした。
「園見学の際には『おむつサブスクはありますか?』という質問をいただくこともあり、関心が高まっていると感じていました」と中島園長は話します。
現在、新潟市立園では希望者が全園でサービス利用可能。希望する場合は、スマートフォンから専用フォームで申し込むだけ。月額料金を支払うことで紙おむつとおしりふきが使い放題になります。サイズは随時変更ができ、1カ月単位で契約内容を見直すことも可能です。料金は月額2,140〜3,500円(税込)で、各園での保護者アンケートをもとに事業者が選定されています。
万代保育園では、BABY JOB株式会社のサービス「にこにこ登園」を導入
導入3カ月のリアルな声と変化。
保護者とこどもたちの笑顔につながる取り組みを増やしていけたら
導入後、保護者からは「準備がラクだし、忘れ物もしない」「朝の支度が時短になった。荷物が減ってうれしい。値段も高く感じない」と前向きな声が多く寄せられています。 保育士からも、「補充のお願いをする必要がなくなった」「園内全てのトイレにおむつを置いておけるので、クラス以外の保育室で遊んでいてもおむつ替えをしやすい」といった、現場の負担減を実感する声が上がっています。
「保護者の方は仕事と子育てを両立されています。おむつの準備が減った分、お子さんとの関わりに時間を向けられていると聞くと、本当にうれしいです」と中島園長。
令和7年9月末時点では、新潟市立園0〜2歳児クラス1,833名のうち45.3%が同サービスを利用。0〜1歳児に限ると利用率は55%にまで上がります。
「新潟市では、子育て世帯を応援したいという思いでさまざまな取り組みを進めています。おむつサブスクも、その一つとして体感していただけたらと思います。今後も保護者・保育者双方の声を聞きながら、より良い取り組みを検討していきます」と滝沢さんは今後の展望を語ってくれました。
新潟市立園では、保護者がスマートフォンで連絡帳のやり取りや登降園時刻の記録ができるシステムを導入するなど、時代やニーズに合わせて柔軟に変化を続けています。
“負担を減らし、笑顔を増やす”取り組みとして、今後の広がりにも注目です。
新潟市中央区の万代保育園。同園の0〜2歳児クラスにおけるサブスク利用率は63%に及んでいる
■問い合わせ先
新潟市こども未来部幼保支援課
電話 : 025-226-1228
メール : yohoshien@city.niigata.lg.jp
URL : https://www.city.niigata.lg.jp/






