新潟県内では企業や自治体が、子育てを応援するさまざまな取り組みを行っています。この特集では、子育て環境の改善やこどもたちが過ごす社会を良くするための事例などを紹介。子育て環境がより良い形で整っていくことで、みんなが笑顔で過ごせる新潟の“みらい”が見えてきます。
新潟県福祉保健部こども家庭課政策企画員 井上智博さん
新潟県福祉保健部で「新潟県こむすび定期」を担当。
Q.「新潟県こむすび定期」とはどういう支援ですか?
A.申請時点で新潟県に住所を有している1歳未満のお子さまへ、新潟県から10万円の定期預金をお渡しするものです。新潟県は「子育てに優しい県」の実現に向けて、「こむすび県にいがた」をキャッチフレーズにさまざまな取り組みを行っていますが、こむすび定期もその一つです。2年満期5万円、5年満期5万円を合わせて10万円の給付となります。申請可能期間は出生から1歳未満の間で、保育園への入園を控える2歳ごろと、小学校入学を控える5歳ごろに利息が付いた満期預金を受け取ることができます。県内全ての金融機関から金利のプラスやノベルティプレゼントなどの特典を付けていただいています。2023年10月の申請受付開始から約1年間で1万2,000件ほどの申し込みがありました。
「新潟県こむすび定期」は給付に当たって所得制限はなく、県外からの転入者も給付を受けることができる
Q.どのようなきっかけで始まったのでしょうか?
A.子育て支援の政策を考える中で、官民一体で経済的支援や子育て気運の醸成を図る施策を検討し、県内の金融機関からご協力をいただいて定期預金をお渡しする支援が実現しました。妊娠・出産時に給付される国による出産子育て応援交付金が令和4年度に始まったので、それにつながる形で2歳ごろと、5歳ごろに満期になるように設定しました。
Q.申請手続はどうしたらいいですか?
A.スマートフォンやパソコンから新潟県電子申請システムにアクセスし、必要事項を入力して申請いただきます。県の方で対象者の確認がとれると、新潟県から証明書を送付します。その証明書を、ご希望の金融機関へ持参していただくと、10万円の「新潟県こむすび定期」を受け取れます。県内にある全金融機関にご協力いただいているので、県内どの金融機関でも、こむすび定期を作成可能です。特典内容は県のホームページでも確認できます。
「子育てがしっかりと実を結ぶ、“こむすび県”の実現に向けてこれからも取組を進めていきます」と井上さん
Q.「こむすび県にいがた」の、その他の取組も教えてください。
A.施設面では、新潟県は保育施設が充実していて待機児童は現在ゼロです。また、0歳〜4歳人口1,000人当たりの地域子育て支援拠点は全国1位です。保育についても、国の基準では1歳児は保育士1人で6人を見るところが、新潟県では1人で3人と手厚くなっています。また、「こむすび住宅」という、空き家を子育てしやすい形にリフォームする業者に支援金を出す独自の制度を令和6年度から始めたり、男性の育児休暇取得を推進している企業には助成金を出したりするなど、民間企業と連携しながら、子育てしやすい新潟県の実現に努めています。







