交流会で話すジャーナリストの池上正樹さん
交流会で話すジャーナリストの池上正樹さん
交流会に参加したジャーナリストの池上正樹さん(右)
仙台市が2023年8月から24年3月にかけて、15~64歳の人がいる全約40万世帯に調査票を配り、8・3%の約3万4千世帯から回答を得た。「仕事や学校などに行かず、家族以外との交流がほとんどない」状態をひきこもり状態と位置付けた。こうした人がいるのは3325世帯で、該当者は3956人に上った。きっかけは、不登校や職場のトラブルのほか、東日本大震災の影響もあった。
取材に応じるジャーナリストの池上正樹さん

 「割り込んですみません。でも、いつまで待つんですか?」

 9月下旬、大分市で開かれたひきこもりの子どもを持つ親たちの交流会。ひきこもりについて長く取材してきたジャーナリストに、1人の父親が問いかけると、その場が緊張感に包まれた。

 内閣府の推計によると、ひきこもりの人は全国に146万人いるとされる。強制的に部屋から連れ出すような「引き出し屋」による対応や、無理な就労は当事者のトラウマになる可能性があり、逆効果であることがだんだんと知られてきた。

 一方でひきこもりが長期化し、親が80代、子どもも50代と高齢になって困難を抱える「8050問題」も深刻だ。子どもが社会に戻る日を、親は一体いつまで待てば...

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