小説「成瀬あかり」シリーズ。中央は第3作「成瀬は都を駆け抜ける」
 小説「成瀬あかり」シリーズ。中央は第3作「成瀬は都を駆け抜ける」
 「こんなに多くの方に読んでいただいたのは予期しなかったことで、ありがたい」と話す宮島未奈さん
 書店「奎文堂」の久保泰幸代表(左)
 ファンからのメッセージが掲示されている「フレンドマート大津テラス店」

 型破りでまっすぐな主人公の青春を描いた小説「成瀬あかり」シリーズが、1日発売の第3作「成瀬は都を駆け抜ける」(新潮社)で完結した。電子版や関連作も合わせ累計190万部(7日時点)のヒットに、「到達点を見届けて」と作者の宮島未奈さん(42)。主な舞台の大津市では、地域おこしの動きも広がる。

 シリーズは大津・膳所に暮らす成瀬の中高、大学時代をコミカルに描く。地元百貨店の閉店と絡めた短編「ありがとう西武大津店」が、2021年に「女による女のためのR―18文学賞」を受賞。同作を含む単行本1作目の「成瀬は天下を取りにいく」が、24年の本屋大賞に選ばれた。

 新作では、京都大に進学した成瀬が仲間と京都の街...

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